訪問看護ノート 1999.5.20/cn19990520-1 五十嵐 直敬 音楽療法について 1.音楽療法とは  1)歴史    音楽自体は原始時代から存在した 自然発生的なもの 手拍子 歌    > 楽しみ「盛り上がる」祭りの音楽 または通信(神や霊を含む)    「作られた」音楽はつい300年程度の歴史しかない    !バッハ ベートーベン モーツァルト等「古典派」以降    教会音楽としての発達 > 心を癒し慰める手段としての音楽へ    Ex. バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」シューベルト「アベマリア」    20世紀に入り音楽が大衆化 一般の人も触れ楽しめるようになった    !ジャズ 演歌 歌謡曲 ロック ポップス    > 人の心を映す様々な音楽がTPOに応じて聞かれるようになる    !ブティックでは? レストランでは? 居酒屋では? バーでは?     > 音楽「療法」 = 明らかな心身の状態の改善への意図を持つ音楽の活用      < 心理学・生理学・ストレス機序の解明 = 科学的裏付け    治療的・積極的意義が意識されはじめたのはつい近年    まだ理論は確立しているとは言えない 様々な試みが行われている  2)音楽療法の目的と種類   a)癒しの手段としての音楽の活用     精神を安らげる目的での活用 いわゆるヒーリング・ミュージック     古典的音楽から現代音楽まで幅広いジャンルの音楽が使われる 好みで良い     基本的にはゆったりしたテンポの曲を聴く = 受動的な活用     脳波・α波との関連 < 脳がリラックスするとα波が出る     1/fゆらぎとの関連 < 自然・生体の営みは常に揺らいでいる 風 波 心拍   b)心身の回復・強化の手段としての音楽の活用     聴覚や脳を刺激して能力を高める 意欲を高める     作業のテンポに合わせたテンポの曲を聴く = 受動的活用     Ex.パチンコ屋の軍艦マーチ 甲子園のコンバットマーチ     !心拍数との関連は     自ら曲を演奏する・歌う = 能動的活用     > リハビリテーションの一種とも考えられる     !そんな時思わず口ずさむ、あの曲あの歌 2.音楽療法の科学的根拠  1)心理学的根拠   a)アイソの原理     「その時の感情を強化すると、その感情はより速やかに安定に向かう」     悲しい時は思いきり泣く 頭に来たら思いきり怒る > 早く気持ちが落ち着く     音楽は感情を強化するための手段になる     !悲しいときに明るい曲を聞いても何か落ち着かない 落ち着くのは・・・  2)生理学的根拠   a)アルファ波の発生     脳波のα波は安静覚醒時に発生する = リラックスしている証拠 休息状態     聞くことでα波が発生する音楽がある > リラックスできる音楽   b)f/1ゆらぎ     生体の心拍・呼吸その他の動きは規則的なようで実は微妙に揺らいでいる     自然の風や波の音なども微妙に周期が揺らいでいる     心地よいと感じる音楽・演奏は微妙にリズムが揺らいでいる     > f/1ゆらぎの音楽によって生体のリズムをf/1ゆらぎのリズムに整える  3)ストレス機序その他との関連    ストレスは精神・自律神経・器官・免疫その他生体機能を崩す    免疫系は中枢神経の制御を受けているらしいことが分かってきた    音楽によって精神・中枢神経の活動が安定・活性化したら・・・ 3.実際の活用   音楽には好みがある まったく興味がない場合もある   物理的に聴覚が利用できなければ利用できない   > 対象者と音楽の種類の選択が重要   活用方法によっては準備・物品が必要になる ラジカセ 楽器等   > 充分な準備と心構えが必要 お金も少し   「飽きる」ことを考慮する > バリエーションが必要   !ヒットチャートは毎週入れ替わる   人の気持ちは常に変わり流れていく 音楽もまた同じ 以上