訪問看護ノート 1999.3.7/cn19990307-2 五十嵐 直敬 訪問看護計画の立案の基準 1.意味と意義  看護 = クライアントの健康に関わる問題を解決するための行為      クライアントの状態によりニードが変わる 成すべき看護も変わる  >真に優れたナースなら感覚的に、ニードに応じた看護をその場でできるかも  >多分普通のナースには無理  看護の再現性の確保 「誰がいつしても同じ質のケア」の実現が必要  > 予め何をするか決めれば 看護の質を維持できる   > 誰でも 最低限何をその利用者様のためにするべきか わかる   > 何をするべきか決まっていれば できたかできないか評価できる  !看護計画 = 利用者様のためにするべきケアの基準 具体的内容のリスト 2.看護計画が持つべき基本的方向性  1)在宅療養者の現実と求めるもの    在宅療養者の多くは高齢者または末期患者 = 人生の終末への道のりにある    >身体・精神機能は低下をたどる ほぼ不可逆的な変化    しかし人は最後まで希望を持っている    Ex.「歩きたい」「治りたい」「〜したい」    QOLはいつでもできるだけ維持・向上が必要    !「その人にとってのQOL」とは?  2)3つの基本的方向性   a)現状維持     良くならないことを受け入れる しかし悪化はできるだけ防ぐ     ある程度の身体的・精神活動的問題があるが予後に余裕がある場合   b)改善     可能な限り問題の解決を図る 治癒 障害克服     予後が長いと考えられる場合 本人の意欲が高い場合   c)being     成り行きにまかせる 看取りのケア 苦痛については緩和を図る     末期患者 予後が長いが本人の意欲がない場合は? 3.計画立案の手順  1)利用者様のニーズを知る    主観的ニーズ 「こんなことをしてほしい」    !看護の領域ではない場合もある 適材適所でのニーズ充足が必要    Ex1.「歩けないからお風呂を手伝って」 Ex2.「歩けないから掃除して」    客観的ニーズ    > 医師 ナース PT OT 他コメディカルが専門知識によって査定    !利用者様の主観的ニーズや意思と対立する場合あり  2)ニーズを生じさせた原因=健康上の問題 を明確にする    ナースが関わるべき領域は健康上の問題 他領域は他職種へ 適材適所    原因がわからなければ適切な対策はできない  3)ニーズに対する到達目標を決める    利用者様はどこまで望んでいるか それは現実的か    計画の基本的方向性を踏まえる 科学的に妥当な手段・方法を用いる    !求められる方向性は問題毎に別でありえる・あってよい  4)問題の解決策を考える    ナースはどこまでできるか 限界を意識する 実現できることが条件    > 人的資質的には 知識 技術    > 物理的・組織的には 安全性 経済性 マンパワー 時間    !何を目指すか 利用者様とナースの二人三脚になる  5)利用者様と看護計画を共有する    看護計画を利用者様に理解して頂く 看護計画の開示 インフォームドコンセント    !当事者の理解と協力なしには何もできない・効果が出ない 4.書式と記録方法  1)看護記録の看護計画用紙    最も基本となる バリアンス≒問題毎の計画用紙    バリアンス毎の到達目標を「解決目標」に記入する    目標達成に必要な段階ごとの目標を、「到達基準」に優先度順に列挙する    到達基準項目毎に「看護活動計画」に具体的な看護内容を列挙する    ケア内容は、観察・ケアや処置・教育指導に大別し整理する  2)公式な看護計画用紙    医師への提出用の看護計画用紙 看護記録の看護計画用紙から転記する    「看護目標」にはバリアンス毎の目標を列挙    「問題点」には「バリアンス」 「解決策」には「到達基準」を転記する    必要に応じて「解決策」に「看護活動計画」を転記 または看護計画用紙を添付  3)利用者様用の看護計画用紙    看護計画を簡潔に分かりやすくまとめて記載する    実際に行う具体的目標と内容を書くと分かりやすい    およその必要時間や必要物品も明記する