訪問看護ノート 1999.10.07/cn19991007-1 五十嵐 直敬 パーソナルスペース:人間関係の距離感覚 1.パーソナルスペースとは  1)動物が持つ「縄張り」    多くの動物は「縄張り」を持つ    縄張り = 生存を保障するための生活領域    > 食物 居住空間 安全確保     > 外敵の侵入を許さない安全地帯      > 他の侵入を牽制する 侵入者に対し攻撃する 逃げる < 自己防衛本能        Ex.1 雄犬が電柱に尿をかけるのは縄張りのマーキング、牽制目的        Ex.2 鮎は縄張りに他の鮎が入ると攻撃する  2)人の本能的縄張り    人にも縄張りが存在する > その一つの現れ方がパーソナルスペース    動物としての「縄張り」の潜在的意識 > 他人が侵入すると不快な範囲     > 自己防衛本能が働く領域 敵を排除する必要性を感じる領域      > 入ってきた相手との関係・友好か敵対かで意識が変わる 2.パーソナルスペースの実際  1)範囲    体の正面に対し前後約1m程度 左右に50cm程度 ただし個人差が大きい    目安として腕を伸ばして届かない範囲 = 攻撃されない範囲    Ex.1 電車の椅子・空いていれば必ず間を開けて座る    Ex.2 面接の基本・正面での対峙を避けL字に位置を取り腰掛ける       状況としてL字位置関係が不適当なら、間に机など介在物を置き距離を取る  2)接近許容距離    パーソナルスペース内での接近許容範囲は相手との関係・認識による    敵・脅威・不安・嫌いな存在か 自分にとって愛せる・好ましい・有益な存在か    未知の他人>顔見知り>同じグループの所属員>親しい友人知人>身内・恋人        自分との関係が親密・好意を感じているほど接近を許す    権威・権力がある者に対しては距離を取る・取られる    Ex. 「三歩下がって師の影踏まず」 恋人同士は肩を寄せ合う    文化にも影響される > 欧米では身体的接触が日常文化 3.パーソナルスペースが意味するもの   パーソナルスペース = 好き・嫌いの心の距離が物理的距離に反映されたもの   共に居たいか 居たくないか 近づきたいか 近づきたくないか   人間関係の基本となる距離感覚 以上