今はまだまだ研究途上の遺伝子治療ですが、その未来はとても大きな希望に満ちています。
医師や研究者たちは、将来は「総合病院規模の病院や専門的治療が可能な病院で、注射などの簡単な方法で」遺伝子治療できることを目指しています。
遺伝子治療は現在は大事をとって・また研究のため長期の入院としていますが、手術などに比べると手技が割合簡単で処置時間も割合短くできる可能性があり、患者の身体的負担は少なくなると予想されます。将来は「日帰り遺伝子治療」も可能になるかも知れません。
また、遺伝子治療が一般的になれば、何年も、または一生、多くの薬を毎日欠かさず服薬し続けるより、数回の手技的な治療で済む遺伝子治療の方が、面倒な服薬が不要で患者のQOLが高まり、また医療費も削減できる、という見方もあります。
医学と治療そして看護は、有史以来4000年かけて発達してきました。遺伝子治療はわずかに12年、まだまだ無限の発展の余地があると言えるでしょう。そしてその発展の速度は、速まりつつあります。
今は不治の難病や先天性疾患、薬や手術では治療できない癌なども、遠からず遺伝子治療によって治療の可能性が開ける、病の苦しみ悲しみから人が解き放たれる、そんな日がきっと訪れることでしょう。
20XX年のある日ある病院で...
予想図その壱
「実は、あなたに、肺癌が見つかりました。従来の手術では、かなりの期間の入院が必要です。取り切れずに再発するリスクも、多少はあります。肺の機能も落ちます」
「それは、今は困ります。仕事に支障が大きすぎます」
「では、遺伝子治療という治療法があります。ガン細胞を抑え、免疫を高める遺伝子を、あなたの体に薬として入れるのです。あなたのガンの部位なら、注射でも、吸入か気管支鏡での噴霧でも大丈夫です。体を切りませんし、治療そのものは1時間程度ですので、一泊か、どうしてもなら日帰りでも治療できます」
「...突然のことで、考えがまとまりません。遺伝子治療も良く知りませんし」
「では、宜しかったら、遺伝子治療専門のナースが十分お時間を取りますので、ご納得いくまでご相談頂けますよ。治療の時や術後も、その者がケアします」
「では、ぜひ、遺伝子治療専門ナースの方と相談させて下さい」
「わかりました。(遺伝子治療専門ナースの)○○さん、では、お願いします」
「はい。今日はお時間は大丈夫ですか? では、こちらのお部屋でお話しましょう」
予想図その弐
「ご両親でいらっしゃいますね。実は、先日お生まれになったお子様のことで、重要なお話があります」
「何か、悪いことでしょうか」
「実は、念のため受けて頂いた遺伝子検査で、やはり○○症と分かりました」
「私たち夫婦のどちらかが保因者という検査結果を聞いておりましたから、覚悟はしていましたが...」
「お気持ちお察しします。ですが、良いお知らせもあります。お子様の○○症の場合は、遺伝子治療で発症させないようにできるのです」
「それは本当ですか」
「必ず成功するとまでは断言できません。しかし当施設では今のところ、同様のお子さんは全員、発症せずに済んでいます。もし発症しても、再度の治療で進行を止められると考えられています」
「発症したら、小さいうちに亡くなるかもしれないということでしたね。それなら、もちろん遺伝子治療を考えたいと思います」
「分かりました。では、今後の遺伝子治療については、主治医の私と、こちらの遺伝子治療専門ナースの○○が中心になって進めさせて頂こうと思います」
「遺伝子治療専門ナースの○○です。細かなことでも、どうぞ何でもお尋ねになって下さいね。長いお付き合いになりますが、一緒に頑張りましょう」
私が思い描く、近未来の予想図です。
10年前には、遺伝子レベルで治療するなど、SF小説の世界でした。しかし今は現実です。近い未来、こんな診療風景が珍しくなくなるかも知れません。
その時、これまで治療と療養生活、医師と患者・家族の間に立ち双方を支えてきた私たちナースにも、新しい役割が期待されることになることでしょう。そのために今から、遺伝子と生命について、改めて学び始めて頂ければと思います。
![]()
| ▲ | ≪ | ガンと不妊 | 遺伝子 | あなたらしく | 神経難病 |
|---|---|---|---|---|---|
| ホーム | コーナー目次 | 最先端治療法・機器開発 | 疾患・検査・治療 | 在宅ケア・ホスピス・訪問看護 | 疾病・治療・介護 |
Copyright & Designed by: QOLe ACCT L.P. 2003 All rights reserved.