神経難病の治療の現状と動向
Update: 27 Feb. 2002

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治療の現状
- 神経難病には手術や治療薬等による根治療法(完全に治す治療法)が、まだありません。
- 筋肉や神経から生じる痛みなどの苦痛を緩和する、対症療法が主に行われます。
- 残存する運動機能を最大限に生かすために、リハビリテーションも行われます。
- パーキンソン病、および免疫性神経疾患の筋無力症、多発性硬化症は、数種類の治療薬があり、ある程度症状をコントロールできます。
- 特に筋無力症、多発性硬化症の場合、多くの場合は内服薬治療の継続と生活動作の工夫により、病気と付き合いながら自宅で生活できる身体レベルを維持できます。
治療開発の動向
- 神経難病特に神経変性疾患の根本的な原因として、遺伝子変異が注目され始めており、遺伝子治療の可能性が生まれつつあります。
- 従来、体内の酵素や生理活性物質、食物や水に含まれる微量元素、ウイルス感染などが原因として研究されてきましたが、どれも本質的な原因とは考えにくいようです。
- この数年で、患者さんに異常な遺伝子の繰り返しパターン(triplet repeatと呼ばれます)が様々な神経難病に相次いで発見されています。
- いくつかの神経難病の患者さんの神経細胞内に、異常な蛋白質の塊(封入体と呼ばれる)が発見されています。
- 神経難病の一つ、ハンチントン病では、遺伝子変異と、それが作る変異蛋白質が解明されました。パーキンソン病でも、一部の遺伝子変異とそれが作る変異蛋白質が解明されました。
- 神経難病、特に神経変性疾患では、遺伝子変異と封入体との関連が疑われます。分子生物学による遺伝子レベルでの原因究明がされれば、数年以上先とは思われますが、遺伝子治療の実現が期待できます。
- 工学技術の利用により、神経難病によって起こる障害を克服できる可能性が高まっています。
- 様々な手段で操作し、手足の代わりになる、介護ロボットの開発が大学や企業で進められています。
- より自然に移動するため、二速歩行ロボットの下肢部分を歩行補助に利用する研究開発がホンダで進められています。
文:五十嵐 直敬/クオーレACCT合資会社 クオーレ難病・ホスピス・訪問看護研究所 主任相談員:保健師・看護師

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